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■ATとCVTはどう違う?

【CVTは無段変速】

cvtの説明図

ビギナードライバーが最も苦手とするクラッチ操作をなくし、運転のしやすさを格段に向上させたのは、かつてはATだけでしたが、現在ではCVT(連続可変トランスミッション)も多くのクルマに採用されるようになりました。

ATとCVTの決定的な違いは、ATがギア(歯車)を使うため、3速、4速、5速、6速などの段数があるのに対し、CVTは直径を変化させることが可能な2つのプーリー(滑車)の組み合わせによって駆動力の伝達比を変える仕組みのため、無段変速になるのが特徴です。滑車方式のほかに日産が採用するエクストロイドCVTと呼ぶ異なる方式のCVTも存在します。

最近はATの多段化が進んできましたが、多段化を突き詰めると無段化につながるわけで、CVTはATの次にくるトランスミッションといえるかも知れません。CVTはATと違って流体トルクコンバーターを使わずにすむ(あえて使う機種もあります)ため、動力伝達効率に優れ、燃費が良くなるといわれています。

【一般のCVTは小排気量車向き】

2つの滑車の間で動力を伝える金属ベルトの限界などから、大排気量エンジンに適合させるのが難しいのも実情です。ですから、CVTはコンパクトクラスの小排気量を中心に採用されています。ちなみに大排気量エンジンにはエクストロイドCVTなどが適しています。

CVTは基本的に電子制御仕様となりますが、このため適当なギア比を選んで自由に段数を設定することも可能です。スバルのi−CVTが7速マニュアルとしても使えるようにしているのはその典型です。

停車状態からアクセルを踏み込んで発進していくと、AT車では車速とエンジンの回転数に応じて、1速、2速、3速と自動的にシフトアップしていき、そのたびにギアの切り換えショックを感じます。

これに対してCVTでは切れ目のない滑らかな加速の伸びを味わうことができます。これが大きな違いです。

【CVTの注意点】

仕様によっても異なりますが、CVT車ではクリープ現象がなかったり、あるいは弱かったりするほか、エンジンブレーキを効かせにくいものもあります。このようなタイプでは上り坂での発進の際に、MTのようにずり落ちてしまうことがありますので、これもMT同様サイドブレーキを使うなど工夫が必要になります。また駐車場などにある段差の乗り越えも要注意です。アクセルの踏み込みに細心の注意をはらいましょう。

基本的な運転操作はATと変わりませんが、CVT車に乗るときには特性の違いが体感できるまで、より慎重な運転を心がけてください。 オーバーヒートを起したな、と思ったら、とりあえずスピードを落として走ってみて、走行中に「キンキンカンカン」といった金属音などがしていたり、オイルランプ(インパネ内にある"アラジンのランプ"みたいなマーク)が点滅しているとしたら、かなり"重症"です。すぐにアクセルから足を離してエンジンへの負荷を止め、安全な場所まで惰性で走ってエンジンを停止させてください。

この場合、エンジンオイルが入っていないか、極度に減ってしまったか、あるいはオイルがその役割を果たさないほど劣化してしまい、エンジン回転に必要な適正な粘度と油圧が確保できない状態です。このままアクセルを踏み続けるとエンジン内部はオイル切れの状態となり、ピストンの焼き付きなどに陥ることもあります。

掲載日:2006.10.18


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