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■保安基準:不正改造の防止と罰則

【主な不正改造の事例】

不正改造とは道路運送車両の保安基準に適合しなくなる改造を指します。事例としては、(1)灯火類の色の変更、(2)運転席や助手席の窓ガラスへの着色フィルムの貼付、(3)タイヤおよびホイールのフェンダー外へのはみ出し、(4)消音器(マフラー)の取り外しや切断などが挙げられます。

【灯火類の色は場所ごとに決められている】

自動車に用いられている制動灯、方向指示器などの灯火類は、道路運送車両法の保安基準によって、個別に色や点滅が定められています。これらを勝手に異なる色に変更したり、点滅回数を規定外の回数にしてしまうと、他の交通から誤認されたり、見落とされたりして、事故を誘発することにもなりかねません。保安基準によれば、

となっています。

改造例

不正改造例
×
尾灯が赤色でない写真
正しい例
正しい尾灯の写真

【透過率70%未満のフィルムは不可】

運転席や助手席の窓ガラスに濃色の着色フィルムを貼ると、夜間などに周囲の交通状況が把握しにくくなってしまうため、保安基準では「着色フィルムを貼り付けた状態での可視光線透過率が70%未満のものは不可」と定められています。

改造例

不正改造例
×
運転席の窓ガラスに濃色の着色フィルムを貼った写真
正しい例
正しい運転席側の窓ガラスの写真

【回転部分のはみ出しは厳禁】

タイヤやホイールのサイズが適切でないと、車体やブレーキなどの構造部品と干渉したり、車体から突出して歩行者等に危害をおよぼす恐れがあります。保安基準では、回転部分が突出する等、他の交通の安全を妨げるおそれのあるものでないことを定めています。タイヤやホイールを交換するときに注意しなければなりません。

改造例

不正改造例
×
タイヤがはみ出している写真
正しい例
フェンダーとタイヤの位置を示す図


【マフラーは騒音発生が抑制できること】

保安基準によると「内燃機関を原動機とする自動車には、騒音の発生を有効に抑制することができる消音器(マフラー)を備えなければならない」と定められており、マフラーを切断したり、取り外すことは禁じられています。また、マフラーを社外品に交換する場合も、JASMAが認定している車検対応品で、保安基準適合を示すプレートが貼ってある製品であることが必要です。

改造例

不正改造例
×
マフラーを改造したバイクの写真

【不正改造に対する罰則】

不正な改造を防止するために、道路運送車両法ではさまざまな罰則を設けています。

具体的には

(1)整備命令

地方運輸局長は、自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、その使用者に対し、必要な整備を命ずる場合があります。この命令に従わない場合には、当該自動車の使用を停止したり、制限することがあります。また、命令に従わない場合、6ヶ月以下の懲役又は20万円以下の罰金が課せられます。

(2)整備不良車の運転禁止

車両の使用者、車両等の装置の整備について責任を有する者、または運転者は、その装置が道路運送車両の保安基準に適合しないため、交通の危険を生じさせたり迷惑を及ぼすおそれがある車両を運転したり、させたりしてはいけません。違反した場合は、3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金が課せられます。

があります。

この他、自動車分解整備事業者に対しても、保安基準に適合しなくなるような改造を行ってはいけないと定めています。これに違反した場合、3ヶ月以内の事業の停止命令や、認証の取り消しが行われることがあります。

参考資料:国土交通省ホームページ

掲載日:2006.8.9


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